2011年07月02日

いつかパラソルの下で (森 絵都)

★★★☆☆

森絵都らしさは随所に出ているが、とくに惹かれるわけでもない作品。強いて言えば、森絵都にしては恋愛色が少しだけ強いと思った。

文芸評論家でこの本の解説を書いている人が森絵都の小説についてこう書いていた。

"何ら変哲もない日常、ぶざまでみっともなくも情けない日常が再発見されるというロジックを持っている。"

なるほど、さすが文芸評論家ともなると適確に言葉で言い表してくれるなあと思った。普段自分が何となく感じていたことと同じだと思った。こういうところが森絵都のよさだと思うのだけれど、そういうコンセプトの本だとなかなか「すごくいい」というところまではいかないんだろうな。

【ほかに読んだ森絵都の本】

- アーモンド入りチョコレートのワルツ
- つきのふね
- 永遠の出口
- 風に舞いあがるビニールシート
- カラフル
- リズム
- 架空の球を追う


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2011年06月25日

風待ちのひと (伊吹 有喜)

★★★☆☆

伊吹有喜のデビュー作品。この人の作品は初めて読んだ。

まあ、まあってところかなぁ。悪いってほどでもいないけど、ほかの自分の好きな作家のよさを再確認するようなところもあった。

結末は何ともベタだよね。フィリピンの人が帰ってくる設定になってるエピローグはやりすぎでは?とも思う。

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2011年06月18日

リズム (森 絵都)

★★★☆☆

第31回講談社児童文学新人賞、第2回椋鳩十児童文学賞受賞作品。

これぞ森絵都という感じの作品。デビュー作のせいか、良くも悪くも初々しい感じがする。森絵都らしいところがすごくあるけど、ちょっと浅いかな。

まあでも、真ちゃんがさゆきのことを最後まで好きにならないばかりか、気持ちにすら気づかないっていうのはいいところかな。そういうふうに画くのは、いかにも森絵都らしい。よしもとばななにもそういうところがあるよね。


【ほかに読んだ森絵都の本】
- アーモンド入りチョコレートのワルツ
- つきのふね
- 永遠の出口
- 風に舞いあがるビニールシート
- カラフル
- いつかパラソルの下で
- 架空の球を追う

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2011年06月12日

ぼくのメジャースプーン (辻村 深月)

★★★★★

スロウハイツの神様で気に入った辻村深月。また読んでみたけど、やっぱりいい。すごい作家だなぁ。願わくば、ミステリーなんて書いてないでもっと直球勝負の作品を書いてくれたらと思う。解説の藤田香織さんも、「私が、そして多くの読者が、辻村さんの小説に惹かれるのは、そうしたミステリー要素の魅力以上に、もっと根本的な部分にあるような気がする。」と言っている。

最後にエピローグでふみちゃんが「ぼくはふみちゃんと仲がいいことが自慢なんだ」って「ぼく」に言われたことを覚えてるというシーンはかなり印象的。当然このシーンは、ふみちゃんが「ぼく」に言われたその言葉をそれくらいうれしく思ったということを伝えるためにあるエピソードではなく、ふみちゃんがその言葉を覚えていたと言うことは、そのとき「ぼく」が無意識に使った力は力として働いていなかった、つまりゲームは成立していなかったということを伝えるために書かれている。言わなくても多くの人がわかっているだろうけど念のため。

【心に残った言葉】

- 「責任を感じるから、自分のためにその人間が必要だから、その人が悲しいことが嫌だから。そうやって、『自分のため』の気持ちで結びつき、相手に執着する。人はそれでも愛と呼ぶんです。」

【ほかに読んだ辻村深月の本】

- スロウハイツの神様
- 冷たい校舎の時は止まる

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2011年06月11日

不幸な恋の終わらせかた (桜井 亜美)

★★☆☆☆

久々に読んだ桜井亜美だったけど、、、うーん、やっぱこんなもんかねぇって感じ。いまいちなんだよね、いつも。裏表紙だけ読むとなかなか魅力的に見えることもあるんだけど。

津田くんのどういうところがいいのかもよく伝わってこないし、津田くんを好きになる人はK2リストみたいなもの、作らないと思うんだよね。。。

【ほかに読んだ桜井亜美の本】
- 虹の女神

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2011年06月01日

ハゴロモ (よしもと ばなな)

★★☆☆☆

よしもとばななにしてはいまいち。自分のあとがきで「弱っているときにじんわりとしみてくる気がする」と書いていて、一方で「弱ってるときにしか価値がないとも言える」と書いてあるが、まさにそのとおりなんじゃないかと思う。いつか弱ってるときにでも、もう1度読んでみようかな…。そう思わせるくらいの作家ではある、よしもとばななというのは。。

恋人だか友だちだかよくわからない男の子が出てくるのは、なんだかよしもとばななの小説の中では定番だな。はたして、そんないい男の子って、この世の中にいるんだろうか!?ちょっと超能力系の能力を持ってるおばあちゃんが出てくるところもいかにもよしもとばななだった。そんな定番中の定番ではあるものの、いまいちよくなかったな。

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2011年05月29日

月のうた (穂高 明)

★★★★☆

第2回ポプラ社小説大賞優秀賞受賞作品。
それだけあって、なかなかいい。
まあ、似たような作品を書ける作家はほかにも何人か思いつくけど、それでもなかなかいい雰囲気を出してる。
まだ著書の数が少ないみたいだからほかを読んでみるということはあまりで気ないけど…。

民子さんの今後が知りたいなあ。
東京の大学に行ってしまうところで終わってしまうけど、その後も気になるところ。
でもこの本の持つ雰囲気は、東京を舞台にしてしまったらその時点で台無しなんだろうな。。。

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2011年05月28日

しずかな日々 (椰月 美智子)

★★★★☆

ありがちなプロットに見えるし、実際にそうだと思うんだけど、これがなかなかいい。
たぶん才能があるんだと思う。
1冊を通じてとてもいい感じで進む。
よしもとばななともちょっと違う感じなんだけど、似たようなところはあるかも。

「ぼく」がおじいさんの家で過ごしていくストーリーにとくに起承転結はない。
今思えば、タイトルどおりの内容かも。

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2011年05月19日

スロウハイツの神様 (辻村 深月)

★★★★★

上下巻の2冊組み。

辻村深月、初めて読んだけどなかなかいい。裏表紙を読んだときはあんまりかと思って、正直買うことすら悩んだんだけど、ほんとによかった。最後のどんでん返しの完成度はかなり高い。

また、あとがきを書かせる人の選択がいいよね。西尾維新。なかなかの適役です。選んだ人、センスあるなあ。あとがき自体は、内容にぜんぜん触れていないという、どうかと思う内容だけど…。

この作品に出てくる人たちみたいに、夢を追いかけていたいなあ。というか、夢を持ちたい。。

【心に残った言葉】

- 「どんな方法であれ、幸せになる人のことは絶対に悪く言わないはずだよ。」(下巻 p. 355)

【ほかに読んだ辻村深月の本】

- ぼくのメジャースプーン
- 冷たい校舎の時は止まる


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2011年05月08日

ワーホリ任侠伝 (ヴァシィ 章絵)

★★★☆☆

第1回小説現代長編新人賞。
のわりにはいまいちかな。
悪くもないんだけど、よくもない。
まず、ちょっとそれはないでしょ〜っていう展開が多い。
小説だからこそのご都合主義満載。
加えて、結局何が言いたいのかもぼくにはよくわからないね。
オークランドでの話もなんか、ちょっとね、っていう感じ。。


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2011年04月29日

佳人の奇遇 (島田 雅彦)

★★★☆☆

可もなく不可もなくといった感じ。
★4つくらいあげてもよかったんだけど、いまいちこれというものもなかったので。
ただ、いろんな人のストーリーがいろんなところでつながってくるのはわりと好きなので少なくとも★3つはあるかなって感じ。
まあ、厳密にはつながってないんだけどね。
ただ単に、短篇に分けてしまわずに、1つの話につなげてるだけの感じもある。
そういう意味ではやっぱり★3つかなあ。

けれど、話の1つ1つにはなかなかおもしろいものがあると思う。
最後にも軽いどんでん返しがある。
まどかというオカマ(?)について。

【ほかに読んだ島田雅彦の本】
- 僕は模造人間

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2011年04月24日

葉桜の季節に君を想うということ (歌野 晶午)

★★☆☆☆

サスペンス系だけに、あまり高い点はどうしてもあげられない。
ただ、とびきり悪いという感じでもない。
最後に少し主人公の年齢でどんでん返しがある。
まあでもあとはとくに特筆すべき事項もないという感じかなあ。
ほかの作品を読んでみようとは思わない。

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2011年04月20日

忘れないと誓ったぼくがいた (平山 瑞穂)

★☆☆☆☆

なんか、ぱっとしないんだよねぇ。
★2つくらいにはしてもよかったんだけど、全体的によくないから思い切って★1つにした。
結局何が言いたいのか、伝わってこない。
ファンタジーものだけど、そんな斬新な切り口でもないし、だからそのあたりがきっちりしてないと、おのずと評価は悪くなっちゃう。
別に"消え"ちゃってもいいじゃん、って感じで、感情移入もできなかったな。


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2011年04月10日

クラリネット症候群 (乾 くるみ)

★★★★★

「マリオネット症候群」と「クラリネット症候群」の2つの中編からなる。
はっきり言って、かなり残念な作品。
SFなのか、ミステリーなのかよくわからないけど、得るところのない作品。
「マリオネット症候群」は相手を殺すと体が殺した相手に奪われるというコンセプトの作品。
「クラリネット症候群」は特定の音を聞き取れなくなるという作品。
どちらも何がおもしろいんだか…。

どうしてあらすじを読んだときに気づけなかったんだろう。
乾くるみはもう今後読まないかな。。。

【ほかに読んだ乾くるみの本】
- イニシエーション・ラブ

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2011年04月02日

みずうみ (いしい しんじ)

★☆☆☆☆

悪い本ではないと思うんだけどねぇ。
自分には難しすぎて、さっぱり理解できなかった。
ほとんど実は3編からなる短編集みたいなものなんだけど。。
互いにあまりつながりがないし。
とにかく、いしいしんじらしくない作品につながってる。
とにかくとても難解…ふらふら

【ほかに読んだいしいしんじの本】
- トリツカレ男
- 東京夜話
- 白の鳥と黒の鳥
- プラネタリウムのふたご

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2011年03月12日

輝く夜 (百田 尚樹)

★★☆☆☆

クリスマスイブにまつわる5つの短編集。
「魔法の万年筆」、「猫」、「ケーキ」、「タクシー」、「サンタクロース」の5編からなる。
「魔法の万年筆」はまあわりとよかったけど、、、あとはいまいちかな。
「タクシー」なんかもう、無理やり作ったプロットって感じで…。
最後のタクシーの運転手が誰かのネタばれをしてからがちょっと冗長。
あれがわかってしまって以降はさらっと終わるべきなのに。

あと、全体を通して、Happy endingになるのがわかってるところがいまいちだよね。
まああとは、、、多少技術的になってる感じがする。
やっぱりはじめから作家なんじゃなくて、この人のように放送作家を経て作家になったりすると、こんな感じになるのかなあと少し思った。

この人の本はもういいかなあという感じ。

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2011年03月06日

どうしようもない恋の唄 (草凪 優)

★★☆☆☆

うーん、初めての作家の本を読んでみたけど…。
かなりイマイチ。
っていうか官能小説だって、知らなかったよ。
あそこまでの性描写には、何の意味があるのだろうか?
ラストシーンにのおかげで最低評価は脱したけど、それなりのプロットがあるんだから、もっとふつうの描写の小説にすればいいのに。
なんだかなぁ…ふらふら

この人のほかの作品はもう読まないと思う。

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2011年03月05日

天使がいた三十日 (新堂 冬樹)

★★★☆☆

主人公と犬(マリー)の話。
悪くはないけどいまいちかなあ。
ちょっとメルヘン入ってるし、それから犬はしゃべりこそしないけど人間の話してることがわかるという、非現実的要素も入ってる。
でもなんか教訓めいていて、あまり独特の雰囲気を持っているわけではないというか、ひきこまれない。
銀色夏生や森絵都、梨木香歩のようなよさはない。
マリーとの別れが訪れる、終わり方もイマイチかな。。

【ほかに読んだ浅暮三文の本】
- 忘れ雪

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2011年02月26日

RUN RUN RUN (山下 卓)

★★★★☆

読み始めたときはあまりおもしろくないかなって思ったけど、読み終わったときはなかなかいいなって思った。
最後はちょっとだけ予想外の展開だし。
ちょっと騙されたなわーい(嬉しい顔)
29才と24才と17才の知らないもの同士がたまたま新宿で出会って温泉旅行に行くという、ちょっと現実離れしたストーリー。

山下卓、また読んでみようかなって思う。

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2011年02月21日

スティル・ライフ (池澤 夏樹)

★★★☆☆

表題作の「スティル・ライフ」と「ヤー・チャイカ」の2つの中編からなる。
どちらかというと「ヤー・チャイカ」のほうがいいか。
というか、「ヤー・チャイカ」のほうは最後まで恐竜のディッピーの意味がわからなかった。
ところどころ挿入されてる、本編とは何の関係もないストーリーなんだけど、その関連性、意味が最後まで理解できなかった…。

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