2011年08月20日

となり町戦争 (三崎 亜記)

★★★★★

第17回小説すばる新人賞受賞作品。さすが小説すばる新人賞。小説すばる新人賞を取る作品は個人的に好きだ。

はじめのうちはよくわからない戦争が進むんだけど、だんだんこの本のすばらしさが出てくる。最後のほうは「もっと最初からわかっているべきだった…」となる感じ。

この人の作品はまた読んでみたい。

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2011年08月12日

僕の好きな人が、よく眠れますように (中村 航)

★★★☆☆

一言で言っちゃうと不倫の話なんだけど、それがとてもさらっと清潔感のある感じで書かれている。中村航っぽい感じも出ていてなかなかいいんだけど、でもいまいち読後感が…。

クライマックスに入っていくときは、「ま、これ以上続いてもマンネリの域に入るから、そろそろ潮時ってところかな」なんて思いながら読んだけど、いざ終わってみると、「結末がイマイチだなぁ…」などと思った。

でもまあ、悪くはない。「●●なのは○○だけなのかしら」というのは自分でも使ってみたいなわーい(嬉しい顔) ということで、「だけなのかしら」シリーズをまとめておきます。

- 人妻が、研究しているのは、化学だけ、なのかしら (p. 14)
- フラれたのは、妹だけかしら (p. 17)
- あなたがほしいのは、焼き鳥だけなのかしら (p. 42)
- 今溢れたのは、ビールの泡だけかしら (p. 42)
- あなたが食べたいのは、お魚だけなのかしら (p. 42)
- 切れてしまったのは、電池だけかしら (p. 42)
- 火傷するほど熱いのは、お茶だけかしら (p. 42)
- 迷い込んだ場所は、新宿の雑踏だけかしら (p. 42)
- しょっぱいのは、枝豆だけなのかしら (p. 42)
- 完成したのは、レポートだけかしら (p. 42)
- 追加したいのは、デザートだけかしら (p. 42)
- あなたが計算するのは、お勘定だけかしら (p. 43)
- 更けゆくのは、夜だけなのかしら (p. 43)
- 始まったのは夏だけかしら (p. 44)
- あふれたのは、ビールの、あわだけかしら (p. 116)
- 試すのは新しい装置だけかしら (p. 124)
- 舐めるのははちみつだけかしら? (p. 176)

【ほかに読んだ中村航の本】
- リレキショ
- 絶対最強の恋のうた
- 100回泣くこと
- ぐるぐるまわるすべり台
- あなたがここにいて欲しい
- 夏休み

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2011年08月08日

冷たい校舎の時は止まる (辻村 深月)

★★★☆☆

スロウハイツの神様」、「ぼくのメジャースプーン」となかなかの作品だったけど、この作品はそれほどでもないか。まず、上巻の最初のほうの進行が冗長。ただのくだらないドラマじゃないんだから、あんなに前置き長くしなくてもいよい。物語上、どうでもいいところなんだから。あまりに長すぎる序章はときに感情移入に逆効果。

それでも、辻村深月らしさは随所に出てると思う。あとでいろいろつながってくるというこの作家の本質はこの作品でも随所に見られる。


【ほかに読んだ辻村深月の本】

- スロウハイツの神様
- ぼくのメジャースプーン

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2011年07月16日

心に龍をちりばめて (白石 一文)

★★★☆☆

裏表紙には「運命の相手の存在を確信させる傑作」とあったけど、そうかなあ…という感想を持った。

解説の吉田伸子さんは「一瞬の光」であまり理解できなかったことが理解できるようになったと書いてあったけど、純粋に「一瞬の光」のほうがよかったと思うな。

【ほかに読んだ白石一文の本】
- 僕のなかの壊れていない部分
- 一瞬の光
- すぐそばの彼方
- 不自由な心
- 草にすわる
- 永遠のとなり
- 私という運命について
- どれくらいの愛情
- この胸に深々と突き刺さる矢を抜け
- この世の全部を敵に回して

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2011年07月10日

ポトスライムの舟 (津村 記久子)

★★★☆☆

第140回芥川賞受賞作品。

そこまでいいかぁ?という感じだったけど、まあ独創性はある。主人公の名字はカタカナで書くと言うところがちょっと独特。言葉で書くとそれがどうしたの?という感じはあるものの、それが出す独特の感じは、後は読んでみないとわからないかも。もちろん、カタカナであるだけじゃなくて文体とかのほかの様相が出す雰囲気もあるはず。

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2011年07月09日

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (桜庭 一樹)

★★★☆☆

えー、なんだったんだ、結局?というような読後感。悪くはないんだけど、結局何だったんだろう?っていう感じがすごくする。登場人物が少ないのには好感が持てるけど、そのぶんちゃんと深みもなくなってしまっているような気もする、ちょっと残念な作品。読みやすくはあるけど。

ま、元はライトノベルだから、仕方ないのかな。ライトノベルは読まないよなあ…。だって浅いものふらふら

一応青春小説に分類されるらしい。書店においてあるフリーの「発見!角川文庫 祭 2012」の冊子によるとね。

【ほかに読んだ桜庭一樹の本】

- 赤×ピンク

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2011年07月02日

いつかパラソルの下で (森 絵都)

★★★☆☆

森絵都らしさは随所に出ているが、とくに惹かれるわけでもない作品。強いて言えば、森絵都にしては恋愛色が少しだけ強いと思った。

文芸評論家でこの本の解説を書いている人が森絵都の小説についてこう書いていた。

"何ら変哲もない日常、ぶざまでみっともなくも情けない日常が再発見されるというロジックを持っている。"

なるほど、さすが文芸評論家ともなると適確に言葉で言い表してくれるなあと思った。普段自分が何となく感じていたことと同じだと思った。こういうところが森絵都のよさだと思うのだけれど、そういうコンセプトの本だとなかなか「すごくいい」というところまではいかないんだろうな。

【ほかに読んだ森絵都の本】

- アーモンド入りチョコレートのワルツ
- つきのふね
- 永遠の出口
- 風に舞いあがるビニールシート
- カラフル
- リズム
- 架空の球を追う


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2011年06月25日

風待ちのひと (伊吹 有喜)

★★★☆☆

伊吹有喜のデビュー作品。この人の作品は初めて読んだ。

まあ、まあってところかなぁ。悪いってほどでもいないけど、ほかの自分の好きな作家のよさを再確認するようなところもあった。

結末は何ともベタだよね。フィリピンの人が帰ってくる設定になってるエピローグはやりすぎでは?とも思う。

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2011年06月18日

リズム (森 絵都)

★★★☆☆

第31回講談社児童文学新人賞、第2回椋鳩十児童文学賞受賞作品。

これぞ森絵都という感じの作品。デビュー作のせいか、良くも悪くも初々しい感じがする。森絵都らしいところがすごくあるけど、ちょっと浅いかな。

まあでも、真ちゃんがさゆきのことを最後まで好きにならないばかりか、気持ちにすら気づかないっていうのはいいところかな。そういうふうに画くのは、いかにも森絵都らしい。よしもとばななにもそういうところがあるよね。


【ほかに読んだ森絵都の本】
- アーモンド入りチョコレートのワルツ
- つきのふね
- 永遠の出口
- 風に舞いあがるビニールシート
- カラフル
- いつかパラソルの下で
- 架空の球を追う

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2011年06月12日

ぼくのメジャースプーン (辻村 深月)

★★★★★

スロウハイツの神様で気に入った辻村深月。また読んでみたけど、やっぱりいい。すごい作家だなぁ。願わくば、ミステリーなんて書いてないでもっと直球勝負の作品を書いてくれたらと思う。解説の藤田香織さんも、「私が、そして多くの読者が、辻村さんの小説に惹かれるのは、そうしたミステリー要素の魅力以上に、もっと根本的な部分にあるような気がする。」と言っている。

最後にエピローグでふみちゃんが「ぼくはふみちゃんと仲がいいことが自慢なんだ」って「ぼく」に言われたことを覚えてるというシーンはかなり印象的。当然このシーンは、ふみちゃんが「ぼく」に言われたその言葉をそれくらいうれしく思ったということを伝えるためにあるエピソードではなく、ふみちゃんがその言葉を覚えていたと言うことは、そのとき「ぼく」が無意識に使った力は力として働いていなかった、つまりゲームは成立していなかったということを伝えるために書かれている。言わなくても多くの人がわかっているだろうけど念のため。

【心に残った言葉】

- 「責任を感じるから、自分のためにその人間が必要だから、その人が悲しいことが嫌だから。そうやって、『自分のため』の気持ちで結びつき、相手に執着する。人はそれでも愛と呼ぶんです。」

【ほかに読んだ辻村深月の本】

- スロウハイツの神様
- 冷たい校舎の時は止まる

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2011年06月11日

不幸な恋の終わらせかた (桜井 亜美)

★★☆☆☆

久々に読んだ桜井亜美だったけど、、、うーん、やっぱこんなもんかねぇって感じ。いまいちなんだよね、いつも。裏表紙だけ読むとなかなか魅力的に見えることもあるんだけど。

津田くんのどういうところがいいのかもよく伝わってこないし、津田くんを好きになる人はK2リストみたいなもの、作らないと思うんだよね。。。

【ほかに読んだ桜井亜美の本】
- 虹の女神

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2011年06月01日

ハゴロモ (よしもと ばなな)

★★☆☆☆

よしもとばななにしてはいまいち。自分のあとがきで「弱っているときにじんわりとしみてくる気がする」と書いていて、一方で「弱ってるときにしか価値がないとも言える」と書いてあるが、まさにそのとおりなんじゃないかと思う。いつか弱ってるときにでも、もう1度読んでみようかな…。そう思わせるくらいの作家ではある、よしもとばななというのは。。

恋人だか友だちだかよくわからない男の子が出てくるのは、なんだかよしもとばななの小説の中では定番だな。はたして、そんないい男の子って、この世の中にいるんだろうか!?ちょっと超能力系の能力を持ってるおばあちゃんが出てくるところもいかにもよしもとばななだった。そんな定番中の定番ではあるものの、いまいちよくなかったな。

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2011年05月29日

月のうた (穂高 明)

★★★★☆

第2回ポプラ社小説大賞優秀賞受賞作品。
それだけあって、なかなかいい。
まあ、似たような作品を書ける作家はほかにも何人か思いつくけど、それでもなかなかいい雰囲気を出してる。
まだ著書の数が少ないみたいだからほかを読んでみるということはあまりで気ないけど…。

民子さんの今後が知りたいなあ。
東京の大学に行ってしまうところで終わってしまうけど、その後も気になるところ。
でもこの本の持つ雰囲気は、東京を舞台にしてしまったらその時点で台無しなんだろうな。。。

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2011年05月28日

しずかな日々 (椰月 美智子)

★★★★☆

ありがちなプロットに見えるし、実際にそうだと思うんだけど、これがなかなかいい。
たぶん才能があるんだと思う。
1冊を通じてとてもいい感じで進む。
よしもとばななともちょっと違う感じなんだけど、似たようなところはあるかも。

「ぼく」がおじいさんの家で過ごしていくストーリーにとくに起承転結はない。
今思えば、タイトルどおりの内容かも。

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2011年05月19日

スロウハイツの神様 (辻村 深月)

★★★★★

上下巻の2冊組み。

辻村深月、初めて読んだけどなかなかいい。裏表紙を読んだときはあんまりかと思って、正直買うことすら悩んだんだけど、ほんとによかった。最後のどんでん返しの完成度はかなり高い。

また、あとがきを書かせる人の選択がいいよね。西尾維新。なかなかの適役です。選んだ人、センスあるなあ。あとがき自体は、内容にぜんぜん触れていないという、どうかと思う内容だけど…。

この作品に出てくる人たちみたいに、夢を追いかけていたいなあ。というか、夢を持ちたい。。

【心に残った言葉】

- 「どんな方法であれ、幸せになる人のことは絶対に悪く言わないはずだよ。」(下巻 p. 355)

【ほかに読んだ辻村深月の本】

- ぼくのメジャースプーン
- 冷たい校舎の時は止まる


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2011年05月08日

ワーホリ任侠伝 (ヴァシィ 章絵)

★★★☆☆

第1回小説現代長編新人賞。
のわりにはいまいちかな。
悪くもないんだけど、よくもない。
まず、ちょっとそれはないでしょ〜っていう展開が多い。
小説だからこそのご都合主義満載。
加えて、結局何が言いたいのかもぼくにはよくわからないね。
オークランドでの話もなんか、ちょっとね、っていう感じ。。


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2011年04月29日

佳人の奇遇 (島田 雅彦)

★★★☆☆

可もなく不可もなくといった感じ。
★4つくらいあげてもよかったんだけど、いまいちこれというものもなかったので。
ただ、いろんな人のストーリーがいろんなところでつながってくるのはわりと好きなので少なくとも★3つはあるかなって感じ。
まあ、厳密にはつながってないんだけどね。
ただ単に、短篇に分けてしまわずに、1つの話につなげてるだけの感じもある。
そういう意味ではやっぱり★3つかなあ。

けれど、話の1つ1つにはなかなかおもしろいものがあると思う。
最後にも軽いどんでん返しがある。
まどかというオカマ(?)について。

【ほかに読んだ島田雅彦の本】
- 僕は模造人間

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2011年04月24日

葉桜の季節に君を想うということ (歌野 晶午)

★★☆☆☆

サスペンス系だけに、あまり高い点はどうしてもあげられない。
ただ、とびきり悪いという感じでもない。
最後に少し主人公の年齢でどんでん返しがある。
まあでもあとはとくに特筆すべき事項もないという感じかなあ。
ほかの作品を読んでみようとは思わない。

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2011年04月20日

忘れないと誓ったぼくがいた (平山 瑞穂)

★☆☆☆☆

なんか、ぱっとしないんだよねぇ。
★2つくらいにはしてもよかったんだけど、全体的によくないから思い切って★1つにした。
結局何が言いたいのか、伝わってこない。
ファンタジーものだけど、そんな斬新な切り口でもないし、だからそのあたりがきっちりしてないと、おのずと評価は悪くなっちゃう。
別に"消え"ちゃってもいいじゃん、って感じで、感情移入もできなかったな。


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2011年04月10日

クラリネット症候群 (乾 くるみ)

★★★★★

「マリオネット症候群」と「クラリネット症候群」の2つの中編からなる。
はっきり言って、かなり残念な作品。
SFなのか、ミステリーなのかよくわからないけど、得るところのない作品。
「マリオネット症候群」は相手を殺すと体が殺した相手に奪われるというコンセプトの作品。
「クラリネット症候群」は特定の音を聞き取れなくなるという作品。
どちらも何がおもしろいんだか…。

どうしてあらすじを読んだときに気づけなかったんだろう。
乾くるみはもう今後読まないかな。。。

【ほかに読んだ乾くるみの本】
- イニシエーション・ラブ

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