2012年05月07日

タイニー・タイニー・ハッピー (飛鳥井 千砂)

★☆☆☆☆

うーん、これははっきりつまらない。こんなにつまらないとはっていう感じ。本についてる帯ではなんだかとてもおもしろいようなことが書いてあったのに。なんだかなぁ…という感じです。

そもそもこの本、ドラマのような登場人物がたくさん出てくるんだけど、この人たちの人生は決してサクセスストーリーなわけではない。まあ、こんな人生もありか、という感じが多い。この本をこう評価する人というのは結局、そういうストーリーを読んで、柔らかい気持ちになりたいという人たちなんじゃないだろうか。つまり、人生に疲れているというか、後ろ向きというか…。

はじめから自分の人生が好きで、前向きな人には、なんだか陳腐な物語集にしか見えない。「切なくも温かいラブストーリー」、ねぇ。。。

最後に、北上次郎の解説がまたつまらない。何が言いたいのかわからない。飛鳥井千砂の作品をほめているということだけはかろうじてわかるが、浅い…。

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2012年04月28日

田村はまだか (朝倉 かすみ)

★★☆☆☆

第30回吉川英治文学新人賞受賞作品。

朝倉かすみという人の本は初めて読んだ。とくに何がいいのかわからなかったなあ。賞を取っているのに。解説でもなかなかの褒められ方をしてるんだけど、何がいいのかよくわからない。

とは言っても、裏表紙を読んだときはなかなかおもしろそうだと思って手を伸ばした。同窓会の3時会が現在の時間軸で、その人それぞれが抱えていることに関する回想が入る。そういう、実質短編のようなものがまとまって1つの作品になった感じ。強いて言えば、「ちなっちゃん」が高校で保険の先生をやってる話が一番よかったかな。

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2012年04月24日

悼む人 (天童 荒太)

★★★☆☆

上下巻の2冊からなる。第140回直木賞受賞作品。

群像小説だね、これは。3人の。直木賞を取りそうな作品だなーと思った。愛というテーマに対して真っ向から勝負している。一方で、群像小説の体系を取ってるからハードボイルド的な要素も入れ込むことができる。そういう意味では、群像小説っておいしいね。

最後、静人と倖代がくっつくのはなー、と思った。


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2012年04月16日

わたしを離さないで (カズオ・イシグロ)

★★★★☆

カズオ・イシグロにしてはかなり読みやすい。軽くミステリが入っているかもしれない。あの学校が持つ違和感は何なのか、それはかなり後半にならないと明かされな。

でもまあそれはどうでもいいことなんだよね。それにしてもこの作品はよくできていると思う。ほかの作品と比べてもだらだらとしていないし。ああ、文学だなーという感じがする。

それにしても、4回目の提供を終えたトミーはどこへ行かされてしまうんだろう?

【ほかに読んだカズオ・イシグロの本】
- 遠い山なみの光
- 日の名残り
- わたしたちが孤児だったころ

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2012年04月07日

カラマーゾフの兄弟 (ドストエフスキー)

★★★☆☆

上、中、下の3巻からなる、超大作。そして名作。

かなりイイ!と思うほど理解はできなかったけど、由緒ある対策なんだなあってことがよく伝わってきた。演説が多い、登場人物の。。みんな多弁過ぎ。ってことで、ページあたりの文字数がすごい。なかなか読み進まない。でも、読めばいつかは終わる。

【気に入った文章】
人間の生存の秘密は、単に生きることにあるのではなく、何のために生きるかということにある (大審問官の言葉。上巻 p. 641)

【ほかに読んだドストエフスキーの本】
- 罪と罰

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2012年01月20日

わたしたちが孤児だったころ (カズオ・イシグロ)

★★★★☆

孤児だった主人公が子どものころを上海で過ごし、成人して子どもの頃の夢だった探偵となり、孤児を引き取って老後は祖国のイギリスに戻るというストーリー。

「遠い山なみの光」や「日の名残り」に比べるとかなり起承転結がある。それでも4分の3くらいまでは"いつもどおりの展開"なんだけど、最後は急展開がある。そのぶん読みやすいが、そういうところはやっぱりカズオ・イシグロの本質ではない気がする。最後の読後感はカズオ・イシグロがよく出ていると思う。

古川日出男の解説がイマイチ。たまに見られる、解説しすぎ、かつ「そうともかぎらないと思うけど」というところまで踏み込んでしまっている感じ。でもWikipediaを読むかぎりは村上春樹に傾倒してるようなので、作家としてはちょっと興味がある。ただ、基本的に推理作家みたいだからやっぱり読まないかな。推理もの以外も書いてるか、今度チェックしてみよう。

【ほかに読んだカズオ・イシグロの本】
- 遠い山なみの光
- 日の名残り
- わたしを離さないで

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2011年12月22日

日の名残り (カズオ・イシグロ)

★★★☆☆

ブッカー賞受賞作品。

なんとも難解な作品。一人の執事が過去をずっと回想している。それ以上でも以下でもない。そこでいったい何が語られているのか。なかなか汲み取るのが難しい。

【ほかに読んだカズオ・イシグロの本】
- 遠い山なみの光
- わたしたちが孤児だったころ
- わたしを離さないで

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2011年12月08日

遠い山なみの光 (カズオ・イシグロ)

★★★★☆

王立文学協会賞受賞作品。

なかなかいい作家を見つけた。友だちに紹介してもらったんだけど。しかし、エンタメ小説のエンタメという要素を抜くと、小説っていうのはここまで波のない、つまり起承転結のない作品になるんだなあと思った。それでいて物語はきちんと構成されている。これだけの起承転結のなさで、きちんと賞を受賞できるんだから大変な技量だと思った。

長崎を舞台にした作品で、少し昔の話。

また、訳者もすごいと思う。小野寺健という人。相当な腕だと思う。こんないい訳をしてくれたら、外国作品ももっともっと読む気になるんだけどなあ。心からそう思った。

【ほかに読んだカズオ・イシグロの本】
- 日の名残り
- わたしたちが孤児だったころ
- わたしを離さないで

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2011年12月04日

ねじまき鳥クロニコル (村上 春樹)

★★★★☆

第一部、第二部、第三部の3巻からなる。なかなかの長編。

羊男こそ出てこないものの、現実でない世界が登場する作品。最後、結局クミコはどうなったんだろうか?そのあたりがさっぱりわからない。綿谷ノボルがやっていたこともはっきりしないまま。非常に難解な作品である。作者の言いたかったことも検討もつかないし…。読解力不足だなあ。伏線も、「すごい」と思うのもあれば「これ、いるの?というかここで何が言いたいの?」と思わされるものもある。たとえば笠原メイの存在とか。間宮中尉ははっきりと一つの役割を果たしてることがわかるんだけど。とにかく難解だ。。

それでいてやっぱりどこかすごいなあと思わされてしまう作品。

「人は島嶼(とうしょ)にあらず」という言葉が全体を通して2回も使われるんだけど、意味、知らなかったな。。

【気に入った文章】
- 世界には雨が降っているという状況と、雨が降っていないという状況とがあり、そのふたつの状況はどこかで境界線が引かれなくてはならないのだ。(第1部 p. 108)

【気に入ったセリフ】
- 「ヘンタイじゃないんでしょう、あなた?」「違うと思う」(中略)「ひょっとしてあなたおかまじゃないわよね?」「違うと思う」(中略)「あまりぱっとしない名前じゃない、それ?」「そうかもしれない」(第1部 p. 114〜115)

【ほかに読んだ村上春樹の本】
- アフターダーク
- 東京奇譚集

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2011年10月01日

ディスカスの飼い方 (大崎 善生)

★★★☆☆

大崎善生にしてはふつう。もちろんディスカスを飼ってるところを書いた裏には別のテーマがあるんだろうし、おぼろげながらにはそれがわかるんだけど、残念ながらわかったと言えるほどには汲み取れなかった。

ただ、大崎善生は十分に出ていた。ああいう雰囲気を味わえるだけでも読んでみていい本だと思う。

【ほかに読んだ大崎善生の本】
- 将棋の子
- 九月の四分の一
- 孤独か、それに等しいもの
- 優しい子よ
- 聖の青春
- スワンソング

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2011年09月23日

月魚 (三浦 しをん)

★★★☆☆

真志喜と瀬名垣の関係は結局何だったんだろう…?終わってみての第一感は、そんな感じだった。内容自体はなかなかおもしろかったけど。とくに文庫書き下ろしの「名前のないもの」がよかったかな。番外編的存在。

【ほかに読んだ三浦しをんの本】
- まほろ駅前多田便利軒
- 私が語りはじめた彼は
- 格闘する者に○
- むかしのはなし
- 白いへび眠る島
- 仏果を得ず

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2011年09月21日

クローバー (島本 理生)

★★★☆☆

可もなく不可もなくっていう感じだなぁ。村山由佳をちょっと思わせるけど、それよりはちょっと大人っぽい。いい意味で。

解説は辻村深月。この人も解説になるとわりとしっかりとした解説を書くんだなあと思った。作品からはあまり想像できないけど。ただ、あまり共感はできなかった。

【ほかに読んだ島本理生の本】
- 一千一秒の日々

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2011年09月10日

白いへび眠る島 (三浦 しをん)

★★★☆☆

ファンタジー的要素を多分に含む。そもそも舞台が島という、閉鎖的空間。そんなにいいというわけではなかったけど、まあまあ楽しめる。


【ほかに読んだ中村航の本】
- まほろ駅前多田便利軒
- 私が語りはじめた彼は
- 格闘する者に○
- むかしのはなし
- 月魚
- 仏果を得ず

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2011年08月20日

となり町戦争 (三崎 亜記)

★★★★★

第17回小説すばる新人賞受賞作品。さすが小説すばる新人賞。小説すばる新人賞を取る作品は個人的に好きだ。

はじめのうちはよくわからない戦争が進むんだけど、だんだんこの本のすばらしさが出てくる。最後のほうは「もっと最初からわかっているべきだった…」となる感じ。

この人の作品はまた読んでみたい。

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2011年08月12日

僕の好きな人が、よく眠れますように (中村 航)

★★★☆☆

一言で言っちゃうと不倫の話なんだけど、それがとてもさらっと清潔感のある感じで書かれている。中村航っぽい感じも出ていてなかなかいいんだけど、でもいまいち読後感が…。

クライマックスに入っていくときは、「ま、これ以上続いてもマンネリの域に入るから、そろそろ潮時ってところかな」なんて思いながら読んだけど、いざ終わってみると、「結末がイマイチだなぁ…」などと思った。

でもまあ、悪くはない。「●●なのは○○だけなのかしら」というのは自分でも使ってみたいなわーい(嬉しい顔) ということで、「だけなのかしら」シリーズをまとめておきます。

- 人妻が、研究しているのは、化学だけ、なのかしら (p. 14)
- フラれたのは、妹だけかしら (p. 17)
- あなたがほしいのは、焼き鳥だけなのかしら (p. 42)
- 今溢れたのは、ビールの泡だけかしら (p. 42)
- あなたが食べたいのは、お魚だけなのかしら (p. 42)
- 切れてしまったのは、電池だけかしら (p. 42)
- 火傷するほど熱いのは、お茶だけかしら (p. 42)
- 迷い込んだ場所は、新宿の雑踏だけかしら (p. 42)
- しょっぱいのは、枝豆だけなのかしら (p. 42)
- 完成したのは、レポートだけかしら (p. 42)
- 追加したいのは、デザートだけかしら (p. 42)
- あなたが計算するのは、お勘定だけかしら (p. 43)
- 更けゆくのは、夜だけなのかしら (p. 43)
- 始まったのは夏だけかしら (p. 44)
- あふれたのは、ビールの、あわだけかしら (p. 116)
- 試すのは新しい装置だけかしら (p. 124)
- 舐めるのははちみつだけかしら? (p. 176)

【ほかに読んだ中村航の本】
- リレキショ
- 絶対最強の恋のうた
- 100回泣くこと
- ぐるぐるまわるすべり台
- あなたがここにいて欲しい
- 夏休み

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2011年08月08日

冷たい校舎の時は止まる (辻村 深月)

★★★☆☆

スロウハイツの神様」、「ぼくのメジャースプーン」となかなかの作品だったけど、この作品はそれほどでもないか。まず、上巻の最初のほうの進行が冗長。ただのくだらないドラマじゃないんだから、あんなに前置き長くしなくてもいよい。物語上、どうでもいいところなんだから。あまりに長すぎる序章はときに感情移入に逆効果。

それでも、辻村深月らしさは随所に出てると思う。あとでいろいろつながってくるというこの作家の本質はこの作品でも随所に見られる。


【ほかに読んだ辻村深月の本】

- スロウハイツの神様
- ぼくのメジャースプーン

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2011年07月16日

心に龍をちりばめて (白石 一文)

★★★☆☆

裏表紙には「運命の相手の存在を確信させる傑作」とあったけど、そうかなあ…という感想を持った。

解説の吉田伸子さんは「一瞬の光」であまり理解できなかったことが理解できるようになったと書いてあったけど、純粋に「一瞬の光」のほうがよかったと思うな。

【ほかに読んだ白石一文の本】
- 僕のなかの壊れていない部分
- 一瞬の光
- すぐそばの彼方
- 不自由な心
- 草にすわる
- 永遠のとなり
- 私という運命について
- どれくらいの愛情
- この胸に深々と突き刺さる矢を抜け
- この世の全部を敵に回して

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2011年07月10日

ポトスライムの舟 (津村 記久子)

★★★☆☆

第140回芥川賞受賞作品。

そこまでいいかぁ?という感じだったけど、まあ独創性はある。主人公の名字はカタカナで書くと言うところがちょっと独特。言葉で書くとそれがどうしたの?という感じはあるものの、それが出す独特の感じは、後は読んでみないとわからないかも。もちろん、カタカナであるだけじゃなくて文体とかのほかの様相が出す雰囲気もあるはず。

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2011年07月09日

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (桜庭 一樹)

★★★☆☆

えー、なんだったんだ、結局?というような読後感。悪くはないんだけど、結局何だったんだろう?っていう感じがすごくする。登場人物が少ないのには好感が持てるけど、そのぶんちゃんと深みもなくなってしまっているような気もする、ちょっと残念な作品。読みやすくはあるけど。

ま、元はライトノベルだから、仕方ないのかな。ライトノベルは読まないよなあ…。だって浅いものふらふら

一応青春小説に分類されるらしい。書店においてあるフリーの「発見!角川文庫 祭 2012」の冊子によるとね。

【ほかに読んだ桜庭一樹の本】

- 赤×ピンク

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2011年07月02日

いつかパラソルの下で (森 絵都)

★★★☆☆

森絵都らしさは随所に出ているが、とくに惹かれるわけでもない作品。強いて言えば、森絵都にしては恋愛色が少しだけ強いと思った。

文芸評論家でこの本の解説を書いている人が森絵都の小説についてこう書いていた。

"何ら変哲もない日常、ぶざまでみっともなくも情けない日常が再発見されるというロジックを持っている。"

なるほど、さすが文芸評論家ともなると適確に言葉で言い表してくれるなあと思った。普段自分が何となく感じていたことと同じだと思った。こういうところが森絵都のよさだと思うのだけれど、そういうコンセプトの本だとなかなか「すごくいい」というところまではいかないんだろうな。

【ほかに読んだ森絵都の本】

- アーモンド入りチョコレートのワルツ
- つきのふね
- 永遠の出口
- 風に舞いあがるビニールシート
- カラフル
- リズム
- 架空の球を追う


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