2014年07月22日

吉祥寺の朝日奈くん (中田 永一)

★★★★★

「交換日記始めました!」、「ラクガキをめぐる冒険」、「三角形はこわさないでおく」、「うるさいおなか」、「吉祥寺の朝日奈くん」の五編からなる短編集。

「三角形はこわさないでおく」はなんかよかった。高校生の淡い日々を思い出す感じ。全体的にちょっと文章が稚拙な感じもあるんだけど、これはそれを補って余りあるストーリーのよさがあったかなあって感じ。稚拙っていうか、伏線がいろいろ張ってあって、でもそれがなんとなくくどいっていうかわざとらしい感じがするわけ。

でもラストの表題作でもある「吉祥寺の朝日奈くん」は秀逸。最後のどんでん返しもさることながら、それ以外の部分もかなりいい。このプロットだけで長編書いてほしかったなー。まだ枝葉つけられると思うんだよね、これ。とにかくよかった。2014年の中で今のところ一番。

■心に残ったセリフ
- 僕の場合、だれかとつきあいはじめても、すぐに関係が希薄になり、そのまま連絡途絶えてしまうことがおおい。人の心というやつは、うつろうものだから、しかたのないことだ。(「吉祥寺の朝日奈くん」 p. 231)
- 愛があったはずなのに、それがいつのまにか消えてなくなっている。そう彼女は言った。僕もまた、あらゆることはうつろうのだと覚悟している。きっと、ここにあるのは変化なのだ。(「吉祥寺の朝日奈くん」 p. 303)
posted by lonitary at 20:19| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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